cropped-24de1f256cec0c20f773198c7b2377561.jpg一式工事とは

一式工事に関しては、建設業の種類のページで取り上げていますが、ここではもう少し詳しく書いていきます。

一式工事とは、

総合的な企画、指導、調整のもとに土木工作物、または建設物を工作する工事

施工内容の総合的な企画、工事全体の安全監理や材料などの品質管理、下請負人同士の間の施工調整、下請負人に対しての技術指導や監督などを行いながら工作する工事です。

大規模かつ複雑で、専門工事では施工困難な建設工事

小規模な工事は含まれません。

複数の専門工事を組み合わせて施工する建設工事

例えば、家1件を建てるとき、大工工事だけでは家は建ちません。屋根工事、電気工事、管工事、左官工事など複数の専門工事が組合わさって、家が完成します。

そのため、総合的な企画をし、専門工事の業者間の施工調整や技術指導や監督が必要となります。この役割を担うのが一式工事業者です。

附帯工事とは

附帯工事についても、許可を取得しなくても請負う事が出来る附帯工事とはのページで説明しています。

簡単に説明すると、

  1. 受注した工事を施工するために、しなければならない他の専門工事
  2. 受注した工事を施工したために、しなければならなくなった他の専門工事です。

例えば、屋根の補修工事の一部に塗装をする必要があるとき、屋根補修工事と一体して塗装工事を請負う場合などがあります。

この場合、「屋根工事」という専門工事と「塗装工事」という専門工事の2つが組合わさっていますが、この2つの専門工事が一連の工事、または一体の工事として施工する必要があるときは、附帯工事として扱われます。

附帯工事として扱われず、2つの専門工事の組あわせだから一式工事として扱われると、非常に面倒です。

ですので、上記③に附帯工事は含まれていません。

また、一式工事が他の建設工事の附帯工事にあることはありません。

一式工事での専門工事の技術者の配置

 一式工事のみ許可を取得されている業者さんは、他の軽微な工事以外の専門工事を単体で請負う事はできません。

しかし、一式工事として工事を請負う中に専門工事が含まれている事は少なくありません。

こういったときは、どうするのかという問題があります。

施工するには、2つの方法があります。

  1. 該当する専門工事の許可業者に下請を出す。
  2. 主任技術者の資格を有する者を専門技術者として配置して自ら施工する。

 専門技術者の配置

 建設工事を施工する建設業許可許可業者は、工事現場に主任技術者または監理技術者を配置しなければなりません。

では、一式工事を施工するときに、工事現場に配置される主任技術者の役割はどういうものでしょうか。

この一式工事の現場に配置される主任技術者は、一式工事の構成部分をなす各専門工事を総合的に管理・監督・指導する者です。

各専門工事の施工に関する技術的な指導や管理とは別個となりますので、原則として一式工事の主任技術者・監理技術者とは別に専門工事に関する技術者を配置する必要があります。

例外としては、一式工事の主任技術者・監理技術者が施工する専門工事の主任技術者となる資格を有していれば、兼任するこができます

つまり、一式工事を請負った建設業業者は、請負った一式工事の中に専門工事が含まれる場合に、その専門工事を自ら施工する場合は、原則として一式工事の主任技術者・監理技術者とは別に専門工事に関する専門技術者を配置しなければなりません。

また、許可業者に下請に出した場合は、その許可業者が主任技術者・監理技術者を配置しなければなりません。